カーテン越しに女性のくぐもった声が聞こえてきた話

初めて行ったので勝手がわからないまま、僕はベッドに横たわった。すでに紹介されていたのでVIP扱いだったのだろうか、ここまですごくスムーズに来れた。

どんな人がくるのか、それくらい聞いておけばよかった。

とりあえず待つしかないので上を向いて寝転んでいると、隣のカーテン越しにくぐもった声が聞こえてくる。耳をそばだてたくはなかったけど他に聞こえるものがなく、ついつい耳が集中してしまう。

女性の声だ。何かをこらえているのだろうか、「んんんっ」と力がはいるような声が聞こえたかと思うと、脱力したかのようなため息のようなものも聞こえてくる。

そして「あっ痛い!!」とその女性が叫ぶと男性の声がすぐに聞こえてきた。

「よしっ!ほらいまので通った!よくがんばったね!!」

どうやら隣の女性患者のコリがほぐれたようだ。すっきりしたのか女性の声は明らかに弾んでいて「はー痛かった♡先生最後のはめっちゃ痛かったよ〜」と上機嫌だ。

「じゃあ今日はおしまい。気をつけて帰ってね」先生と呼ばれた男性は女性患者に声をかける。衣服を着るカサカサという音がしばらく続いたかと思うと、僕の横たわっているベッドの横を大柄な女性が(以後省略)

そう、ここは接骨院。歪んだ骨を治すと評判の先生に診てもらってきました。

 

正月に実家に帰ったら僕の首をかなりうちの両親が心配していまして。どんな病院に行ってるんだどんな症状だと言われてるんだ治るのか、西洋か東洋か鍼なのかやいのやいの。

そして最後には結局「パソコンのしすぎ」にいきつく。いやいやまあその可能性もなくはないんだけど。

で、正月に実家からマンションに帰ってきたくらいに父から電話がかかってきて「私らの通ってる接骨院の先生に症状を言ったら絶対治るから来なさいと言ってる」と。

治療はしてなかったけど車を止めに来たとかのときに正月早々先生は捕まってしまったんだろうなと想像(笑)「うちの息子が実はかくかくしかじかで痛いと言ってるんだが治るんでしょうか」とかなんとか。ああ絶対そうだわ。

「1月5日から接骨院開けるっていってるから、行きなさいよ」と30回くらい繰り返し、その電話の後ろでは「ねぇサキは行くって言ってるの?絶対治るって言ってくれてるんだから行きなさいよって言って」と母の声がワンワンと聞こえる。「もーはいわかったわかったわかりました」と20回くらい言ったらやっと電話を切られた。こうなるとめっちゃしつこいんですよ。

情報処理科のある高校に進学したい、といった15歳の僕に「将来の夢なんてものは絶対に変わるんだから、とりあえず普通科に言っておけ」と言ったのはもう30年ほど前の父。「お客さんの立場で考えたら営業マンは結果を絶対に出せる」と言ったのは20年ほど前の父。

父も母も本当に頑固でめんどくさい。でもその頑固さがいつも「子供への愛情」に溢れている。そしてその言う言葉はこっちが残念に思うほど的確で正しい。僕に自慢できることはあんまりたくさんないんですけど、あの父と母のもとに生まれたことは自慢かもしれない。よくできた父と母だ。

そして今回も仕方なく、父と母の顔を立てるつもりで1月5日に会社をさっさと終わらせ接骨院へ。びっくりするほど的確な診察と治療が「やはり」というしかないように行われ、今僕の左腕は本当に痛くなくなりました。

  • 首のヘルニアであること
  • 神経が圧迫されていることで左腕、肩、背中、首に痛みがあること
  • ヘルニア部分が一箇所ではないので何回かに分けて治療する必要があること
  • とりあえず今日は腕の痛みだけ取りますね→取れた
  • できたら週に2回くらい通ってくれたら完治までいける
  • 首のヘルニアは繰り返すと治りがわるくなるので生活から見直そう

父と母よ、今度出会ったらあなたたちは絶対にこう言うに違いない。

「ほらみなさい、だから早くから○○接骨院行けって言ってたでしょ、それをサキはいう事聞かないから!年末にはきれいに治ってて掃除でもなんでもできたはずなのにそれをもうあんたは。ちゃんと週2回行きなさいよわかった?ねえ聞いてるの?」

父と母には逆らえない。今回もお世話になりました。

えっ、何の話だって?「ブログはタイトルが命」わかったね?

 

※ここ数日「こんなブログもあります」で紹介していただいてるお陰であっというまに読者さんが100人を超えてしまいましたごめんなさい。ひょっこり生まれたひよっこブロガーですが今後ともどうぞご贔屓に。

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